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株式会社リサイクルワン 代表取締役  木南 陽介
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スペシャルインタビュー

株式会社レノバ(旧:株式会社リサイクルワン) 代表取締役  木南 陽介

株式会社レノバ(旧:株式会社リサイクルワン)
代表取締役 木南 陽介


京都大学総合人間学部人間学科卒業。
在学中、有限会社メディアマックスジャパンを設立、代表取締役に就任。
マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンを経て、2000年5月株式会社リサイクルワン(現:株式会社レノバ)を設立、代表取締役に就任。

'09年 10月 株式会社レノバ(旧::株式会社リサイクルワン) 代表取締役 木南 陽介氏、弊社代表取締役 神川 貴実彦 対談

株式会社レノバ(旧:株式会社リサイクルワン)について

『御社は非常にユニークなビジネスを展開なさっていらっしゃいますが、まず御社について少し教えていただけますか?』

うちも提供するサービスは広がっているのですが、基本的には「企業の環境問題を解決する」ということを弊社の使命としています。レノバ(旧:リサイクルワン)は2000年の5月30日、ごみゼロの日に創業しました。
日本の環境問題はエネルギー問題と並んで大きな問題で、中でも廃棄物、リサイクルといったテーマは大きな課題を抱えており、これらの対策に主に取り組んできました。
簡単に申しますと、企業の抱える環境問題についてどう対策していくか、というコンサルティングをやっている会社なのですが、一方で我々のみで解決するのではなく、リサイクル会社や廃棄物処理会社と組んで、クライアントにソリューションを提供していくというのが弊社のユニークなところだと思います。
そのため、リサイクル事業者のネットワークを作っていまして、環境課題を抱えているクライアント企業、一方でそれらに対してソリューションを提供する企業など(リサイクル事業者だけではなく技術保有会社など)2,000社位のネットワークを作っていまして、その中で一つ一つ環境問題の解決に取り組んでいます。
他にも当社が展開するサービスメニューは色々ありまして、廃棄物処理に関するサービスとしましては、処理コスト削減施策の提案や、廃棄物リスクマネジメントのお手伝いをしたりしています。また、企業の抱える環境課題にの中では、土壌汚染とかアスベストに関する問題は数多いので、それらに対するソリューションの提案と実行までやっています。環境課題について最近特に多いのはCO2の測定、削減といった二酸化炭素関連の案件ですね。削減できない部分については、カーボンオフセット、つまり排出権を購入して宛がうということで、社会に対して一つ責任を果たしていくという仕事をやっています。
他にはリサイクル事業構築支援も手がけております。ここ10年位、新エネルギー事業、容器包装リサイクル事業、レアメタル回収事業、食品リサイクル事業など、色々と環境関連の新規事業が立ち上がっておりまして、こういった事業構築の支援も行っております。
また、最近はこういった環境関連コンサルティングサービス以外にも、子会社を二つ作りまして、実事業としてリサイクル工場を二つ運用しております。

『なるほど。コンサルティングというサービスだけに留まらず、ネットワークと御社の子会社などあわせて実際に実行までされているということですね。』

そうですね。そういうことになります。オペレーションをしっかりやろうということで、はじめました。

「社会における環境問題をどうするか」という立ち位置から事業を立ち上げた

『こういった取り組みは社会的に意義があることですよね。
もちろん、意義があるからこういった事業をはじめられたのだと思いますが、会社の立ち上げまでのいきさつについてお聞かせ頂けますか?』


そうですね。環境問題について考えはじめたのは大学時代に遡ります。当時ちょうど、日本の環境政策が出来始めた時で、法律について目を向けると2000年以降数多くのリサイクル法が通過していることが分かります。これらリサイクル法が成り立つ少し前に、大学でちょうど「こういった環境についての変化が起こると、どういった社会になるのか」というような研究をしておりまして。

『では、もう大学時代から「環境」への道を決められていらっしゃったのですね。』

そうですね。大学のコース選択の際に、環境問題そのものに強い関心があった、ということですね。

『なかなか大学時代からはじめたことをそのままビジネスまでやってこられる方というのは珍しいと思います。やはり大学時代から、将来は環境分野でビジネスを始めたいな、といろいろと準備なさってきたということでしょうか。』

「環境分野で何かやりたいな」という思いは持っておりました。ですが私も一旦、学習期間を設けたいな、という漠然とした考えを持っておりまして、2年位ですけれどもマッキンゼーにお邪魔していますからね。当時はあまり環境関連の会社というのがありませんでしたから。プラントメーカーは環境には注力はしていましたが、彼らは「技術をどう売るか」に重きをおいておりますので、「社会における環境問題をどうするか」という立ち位置から事業を展開はしていませんからね。我々は、環境問題を抱えている企業についてまず考えて、その問題をどう解決していくか、という考えに基づいて事業を展開していますから。そもそも当時そういう会社があまり無かったということもあり、当然入りたいと思えるような会社も無く、かといって法律作りをしに行くとしても、もう大体できあがっているということもあって・・・ベンチャー事業として始めるのが一番いいかな、と考えました。

『そうですね、当時だと特に環境について事業展開している会社は少なかったはずですよね。
現在は、御社のような会社というのは他にあるのでしょうか。』


いえ、まったく同種の会社というのはないですね。
個別分野で見れば、それぞれ土壌汚染についての専門会社だとかアスベスト関連の専門会社とか、廃棄物処理の会社で少しサービスを強化している会社とか、シンクタンクなんかは政策提言などやっていらっしゃいますから、それぞれの分野で個別の競合はありますけれど、我々とまったく同様な業務の広がりを持っている競合企業というのは、ないですね。

『なるほど。そうなりますと、先ほどおっしゃった御社保有のネットワーク2,000社の中にそういった専門分野に強みを持つ企業が属しながら、一緒に共同していくというスタイルをとったりするのでしょうか。』

そうですね。そういうことになります。

今後のレノバ(旧:リサイクルワン)の事業

『今後はどういう展開をお考えなのでしょうか?』

今後は事業をもっと拡大していく予定です。コンサルティングサービス分野に関して言えば、世の中の企業の抱える環境問題が増えれば、拡大していきます。特に、今回政権が民主党に代わり、CO2対策を強化するという政策が打ち出されましたし、その裏側には新エネルギー産業を立ち上げるという狙いもありますので、そういった新しい環境分野へは参入しようと思っております。同時に先ほどお話しました、投資を伴う「現場」を持つような実事業のほうも拡大していこうと考えています。

『なるほど、楽しみですね。』

今後注力していく分野につきましては何本か軸があるのですけれど、一つはCO2で、もう一つはアジアです。日本の廃棄物・リサイクル産業というのは規模としましては非常に大きいですが、どうしても日本産業の成長とリンクするというところがありますよね。つまり、日本産業がある程度成熟した現段階では、あまり大きな今後の伸びは期待できない。大きな成長を求めるとなると、隣の中国とか東南アジアの国々が視野に入ってきますよね。これらの国々はちょうど日本の30年前のように、大きな環境問題を抱えているわけですよ。これを開拓しに行きたいと思っておりまして・・・。
必要な人材という話になりますと、そういうところにチャレンジしに行きたいという人が欲しいですね。
そういう脂っこいというか(笑)、粘り強い人というか。机の上できれいな仕事をしたいという人は現状ニーズはないです。

レノバ(旧:リサイクルワン)が求める人材

『人材のお話となりましたがもう少し噛み砕いていうとどんな感じの方を今後求めていらっしゃるのでしょうか。』

今回のインタビューの趣旨とずれてしまうと申し訳ないのですが(笑)、元コンサルタントというと当社としましては、現時点では、ネガティブなんですよ。うちは今まではサービス業主体でコンサルタント集団としてやってきましたが、今後は具体的にCO2を下げたりする「現場」により一層注力していきたいんですよ。リサイクルの現場、これは本当に工場なんです。元々燃やしていたプラスチック、家庭で分別していたプラスチックを今、どんどんリサイクルしているんですね。年間に3万トン、300万人分のプラスチック廃棄物を私どもの工場でリサイクルしております。こういったことを強化していきたいんですね。
ですので、求める人材について出身業界などでわかりやすく言いますと、実事業強化と言う意味では、製造業や物流業界出身者を。一方、海外市場開拓という意味では、商社出身の方。また、新エネルギー技術開発については、もう少し技術・開発バックグラウンドの人材を・・・というように、以前とは求める人材の志向が変わってきています。

『なるほど、御社の人材にもだいぶバラエティが出てきたと言うことですね。ちなみに今、何人位いらっしゃるのでしょうか。』

グループ全体では約200人おりますが、親会社であるレノバ(旧:リサイクルワン)というコンサルティング会社としては50名程度ですね。

『こちらの親会社社員の皆様は主にコンサルティングサービスに携っていらっしゃる方が多いのでしょうか。』

そうですね。親会社社員は主に管理部門とコンサルティング業務に従事している者で構成されています。主要メンバーの経歴について簡単にお話しますと、私と取締役の辻本はマッキンゼー出身で、同じく取締役の本田は三菱総研出身ですね。元々はこの3人でレノバ(旧:リサイクルワン)をスタートさせました。もう一人の取締役の吉田は2004年に入社、もともとは神戸製鋼出身、デューク大学MBAを取得しています。吉田について言いますと、彼は製造業バックグラウンドですので、所謂コンサルタントである他3人と仕事の進め方が違っていて、我々が多角的に物事に取組み、現在のような子会社を展開して実事業をはじめられるようになったことについては彼の貢献も大きかったと思っています。
他の社員については、モニター、ベイン、アクセンチュア、BCG・・・などの出身者も居ますね。

『コンサルティングファーム出身者がやはり多いようですが、それ以外の方は事業会社出身なのでしょうか。』

そうですね。例えば、大成建設、積水化学、GEなどの経歴の人もいます。その意味では多様な人材集団ではあります。
また、新卒が20名いますので、全体の4割は新卒なんです。

『そうなんですね。採用は大変ではありませんでしたか?』

採用自体はそれほど大変ではないですよ。もちろん力は入れていますので、相当な労力と投資をしていますが、環境事業を専業でやっている会社というのはあんまりないんですよ。珍しさが目立つでしょうかね。かつ、我々のような新しい分野だけをやっている会社というのは他にあまりないので、随分と多くの学生の皆さんにご応募頂いています。逆にここ最近、大学院において環境の課題について研究をやってきた人は研究室にも多くいらっしゃいますので、400人応募がある中から5人を採用するとか、お蔭様でそういう感じで厳選に厳選を重ねて、学生といってもエッジのある人を採用しています。

『育成の方はどうですか。』

そうですね、やはり育成の方が課題ですね。半分くらいが新卒となると、教える側の手が足りないという状態はあります。ただやはり、もとのいい人はどんどん成長しますね。3年もすると一人前になります。
我々ベンチャー起業というのは、そもそも人手が足りない。だから、はじめっから結構レベルの高いことをやってもらわざるを得ない。その結果、難易度の高い仕事が人を急速に育てるというサイクルが生まれます。本当に成長を志向する人にとってはキツいくらいがちょうどいいのではと思います。

『私の単なる感想なんですけれど、環境に興味をもつ方は非常に多いと思いますが、商売とのリンクが弱い人もいるような・・・』

それはありますね。うちもまだまだです。環境については非常に気合が入るけれど、商売的にはあまり上手じゃないっていうか、そういう人は確かに多いと思います。事業作りは、事業を構造として捉えなければならない。その意味での成長余地はまだまだあります。

『それはトレーニングすると変わるのでしょうか。』

そうですね。一部変わりますよ。でもそれはプラス2〜3割の範囲でしか変わらなくて、2倍変わったり、3倍変わったりはしないじゃないですかね。とにかくそこはビジネス経験をどんどんしてもらうことだと思いますね。はなからの商売の天才みたいな人はいないわけで。

『適材適所で?』

そうですね。ただやっぱり普通に考えると、会社としては、事業力や商売センスがある人の比率が6割とかで、残りが環境への思いに寄った人が4割位、と言うようなバランス感が良いのでしょうね。

「答えはいつも自分の中にある」

『なるほど、御社の人材についてのお考え、大変よく分かりました。
次に、木南社長ご自身のご経歴についてなのですが、弊社サイトを訪れる皆さんにとってロールモデルの一つだと思いますので、その辺を詳しくお聞かせ願えますか?』


そうですね。ただ、私の場合はキャリアといっても、コンサルティング会社におりましたのはたった2年ですし、あまり自慢できるものでもないですが(笑)
ただ、私はそもそもあまり「キャリア」という発想は持っていないんですね。というのは、「このレノバ(旧:リサイクルワン)という会社が、私自身がやりたいことそのもの」なので。キャリアと言う言葉について一つあまり良くないなと思うのは、キャリアパスという言い方をすると、なんとなく通過していくもの、と思えますよね。通過することを前提にしたら仕事なんて身が入らないですよ。ですので、私は通過前提の転職には反対なんですね。御社の考え方と違ったら申し訳ないのですけれど(笑)
そういう意味で、やりたいことは早く見つかる方がいいと思います。私は、少し寄り道はしましたけれど、ただ、それは意味が無かったこと、とは思っていないです。コンサルティング会社において問題解決を学んだ。という意義は感じています。ただ、一方で長くいなくて良かったなと思っている部分もあります。
長くいるとその世界の仕事から今の仕事になかなか転換できなかったのではないかと思いますから、短くて良かったなと思っています。

『2年でいうのは何か特別な理由があったのでしょうか?』

一つはリサイクル法が2000年にできたということでしょうかね。6月2日施行され、マッキンゼーの退職は5月15日、会社を起こしたのは5月30日(ごみゼロの日)、いいタイミングだと思いました。

『マッキンゼーにいてよかった、と思えることはありますか?』

良かったのはもちろん、問題解決の手法というものがあるということを学んだことですよね。ただ、それはあらゆる仕事、例えば、建設業には建設業の問題解決の手法があるでしょうし、行政には行政の官僚の仕事の進め方というものがあるだろうと思います。ただ、問題解決だけを専門に生業としているという意味で、トレーニングができるという意味では価値があったと思います。
ただ、逆に良くなかったのは、日本企業的な常識というものがまったく欠落しているので、その後、きちんとした日本企業に身をおいて仕事を始めると知らないことも多いですよね(笑)

『なるほど。私も候補者の皆様とお話する中で、将来は起業したいと考えているが、一旦はコンサルティング会社でキャリアを積みたい、と言うお話を聞くこともよくあるのですが、実際は第三者から見られる経歴自体が望みであるケースも多いんですね。木南様はこれについてはどうお考えになりますか?』

人の目を気にして生きても仕方ないので、自分がやりたいようにやるべきだと私は考えています。
「答えはいつも自分の中にある」ということですよね。
それは、はじめはとても小さくて、構想とは言えない様なものでも、自分自身が何か本気になれること、儲かる 儲からない、役に立つ 立たないとかは置いておいて、一番エネルギーが発揮できる部分に注力したら、充実しますよね。その充実の結果、ずっとエネルギーを出していければ、もしかしたらいい事業に成長しているかもしれないし、社会を大きく変えるかもしれないので、結果は後からついてくるものなんだと思います。何に一生懸命になれるかということをきっかけとして起業やキャリアを考えられた方が絶対いいと思います。
人の目を気にしたキャリアなんかつくるな、ってことです。それはもったいないですよ。

『なるほど。本日は非常にためになるお話をありがとうございました。』



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